どうして日本人は英語が話せないのか
2016年にイー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパンにより実施された英語能力ランキングにて、日本は72ヵ国中35位(アジアでは19ヵ国中10位)という結果が発表されました。
近年では小学生から英語の授業が始まるようになりましたが、中学~高校の少なくとも6年間は英語を勉強しているはずです。それにもかかわらず、ほとんどの人が英語を話せないのは、一体なぜなのでしょうか?今回は、日本人が英語が話せない理由を言語学の視点から見ていきたいと思います。
言語4技能から考察する
皆さんは、日本語をどのように習得しましたか?
発達心理学者のE・H・エリクソンが提唱したライフサイクル理論から、言語4技能の習得について見ていきましょう。
あなたの言語4技能習得は、生まれたその日から始まります。乳児期には、お父さんやお母さんなど周囲の人々が話しているのを「聞く」ことから覚えます。
幼児前期には、意味は分からずとも言葉を発するようになり、周囲の人々と「話す」ことを覚えます。
幼児後期には、絵本や紙芝居など通して「読む」ことを覚えます。
小学校に通い始める児童期には、字を「書く」ことを覚えます。
言語を学ぶ順番について
さて、日本語の習得は「聞く」→「話す」→「読む」→「書く」という順番でしたが、英語の習得は、アルファベットの「書き方」を覚え、次にアルファベットの「読み方」を覚え、CDなどで会話を「聞き」、「話す」練習をし始めませんでしたか?学習する「順番」なんて関係ないと思われている皆さん。この「順番」こそが、言語習得において、大きなカギを握っているのです。
前述した通り、多くの日本人が中学~高校の少なくとも6年間は英語を勉強しているはずです。それにもかかわらず、ほとんどの人が英語を話せないのは、「順番」が違うことにより最終目標が変わってしまうことが原因です。
コミュニケーション型の学習法
私たち日本人が日本語を学ぶ順番は、「聞く」→「話す」→「読む」→「書く」という順でした。
日本に暮らす私たちにとって、日本語は周囲の人々とコミュニケーションを図る上で、必要不可欠な存在です。コミュニケーションを図るためには言葉を発し、聞くことができなければ成り立ちません。だからこそ、私たちは子供の頃から自然に言語を操れるようになるのです。
試験対応型の学習法
英語や他言語を学ぶ順番は、「書く」→「読む」→「聞く」→「話す」という順でした。
日本に暮らす私たちにとって、英語や他言語は生活する上で必ずしも必要なものではありません。ただし、大学や高校受験、就職試験などに必要最低限の英語力が求められているため、そういった試験のために、英語の知識だけを増やすような勉強になっいます。
さて、英語学習方法の順番について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
英語を話すことよりも、英語の本や文献を読みたいと考えている人は試験対応型の学習法で問題ないでしょう。 ただし、現代で重要とされるのは「英語でコミュニケーションを図ることのできる人」です。もちろん、文法や単語も英語を話す上で重要なポイントではありますが、一番重要なのは「話す」ということに慣れること。これが英語を話すようになるための近道だと思うので、留学した際には恥ずかしがらずに積極的に話すように心がけると良いと思います。
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