留学する国の選び方
留学する決心をしたら、次に考えるのは「どこに留学するか」だと思います。
どの国に留学しても、いわゆる「安い学校」「高い学校」はあるので、予算を考慮しつつ自分に合った学校を探すことができますが、旅行と違って留学は”異国の地での生活”が待っています。
留学先の国によって法律が異なるため、どのビザを取得しなければいけないのか、また、取得したビザでできる内容も異なります。さらに、物価や治安など「留学先の国や都市」によって様々なことが変わるので、留学において国・都市選びは学校選びよりも非常に重要なポイントと言っても過言ではないでしょう。そこで、『留学する国・都市の選び方』について、「国選び編」と「都市選び編」の2回に分けて、重要なポイントをご紹介したいと思います♪
今回は【 留学する国の選び方 】についてまとめてみました!
語学の習得にはどこの国が良いのか
スペイン語やフランス語、ドイツ語、イタリア語を勉強するために留学をする方は、必然的にスペイン、フランス、ドイツ、イタリアと言った非英語圏への留学が絞られますが、問題は英語を勉強するために留学をする方。
メジャーな英語圏の留学先だけでも8ヶ国。「憧れの場所」がある方はその国を基準に比べることができますが、漠然と「英語を学ぶ=英語圏のどこか」と考えている方も多いのではないでしょうか。
英語のアクセント(訛り)
国や地域によって英語のアクセント(いわゆる、訛り)がありますが、どの国、どの地域に行っても、語学学校では(第二言語としての英語を教授するための資格を持った先生による)、標準の英語学習となります。
ホームステイなど現地の人と会話をする際に英語のアクセントを気にされる方もいらっしゃいますが、実際に訛っている英語を聞いても訛っているかどうかすら判断できなかったり、日本人の話す日本語訛りの英語の方が理解できないと言われるケースもあるので、英語初心者や初級、中級者はあまり気にする必要はないでしょう。
日本人の比率
日本人の比率を気にされる方が多いと思いますが、私たち日本人が苦手とする「スピーキング」と「ライティング」を伸ばすには、どれだけ英語を使用する機会を作るか、そのような環境に身を置くように自分自身が心掛けるかが重要です。
「日本人同士で固まって日本語しか話さない環境」では英語が上達するとは考えられないので、周りの環境に流されやすい方や委縮してしまう方、目標を維持するのが難しい方は、英語力を伸ばすために、英語しか使えない厳しい環境に身を置くことをおすすめします。
家の外では基本的に英語しか使わないようにする(日本人に対しても英語で話しかける)など、自分自身で時間や空間、言語を切り替えることができる強い意志を持った方はあまり日本人の比率を気にする必要はないので、別の基準で留学する国を選ぶと良いでしょう。
気候
留学は「現地で生活」をします。ここが旅行と留学の大きな違いではありますが、渡航先の国によって「気候が合わない」という方もいらっしゃいます。渡航する時期や期間にもよりますが、気候が合わず体調を崩してしまうと生活が苦しく感じてしまい途中帰国になりかねません。気になる国の気候は事前に調べて、日本そして他の国と比較していくのが良いでしょう。
例えば、冬の寒さが苦手な方は、年間を通して温暖な気候のフィリピンやオーストラリア、ニュージーランド、アメリカのハワイやロサンゼルスがおすすめですが、夏の暑さが苦手な方は、カナダやアイルランド、イギリスなどは日本のような蒸し暑さがなく、夏でも比較的涼しいのでおすすめです。
その国では何ができるのか
ダンスといえばアメリカ。ツーリズムやホスピタリティならオーストラリアやハワイなど、国によって得意とする専門分野が存在します。英語は前述したようにどこへ行っても同じように学べるので、英語以外に学んでみたいものがある場合には、学びたい分野はどの国が得意とするのかを見てみるのも良いと思います。
なお、長期留学となる場合には「ビザ」を取得しなければなりませんが、そのビザの種類によっては、就学と就労に制限がある場合があります。例えば、アメリカはワーキングホリデーの制度もなく、学生ビザでの就労も認められていません。しかし、お隣の国・カナダではワーキングホリデー制度はもちろん、学生ビザでの就労が認められています。また、カナダやオーストラリアのワーキングホリデー制度では就学可能な期間が定められていますが、アイルランドやイギリスのワーキングホリデー制度ではビザが有効である限り就学が可能です。
同じ英語圏でも「働ける国・働けない国」「学校へ通える期間が決まっている・無限」といった違いがあるので、自分自身が現地でどういった生活をしたいかという点についてはしっかりと考えましょう。
留学に掛かる費用
留学する国によって留学費用が異なりますが、実際にどのくらい違うのか、世界35ヶ国にキャンパスを構えているEurocenterという語学学校の授業料(2週間)で比較してみましょう。
※1ドル=115.06 円(三井住友銀行11月2日時点のレート)で計算しています。
国名(校舎名) | 授業料(2週間) | 日本円 |
---|---|---|
アメリカ(ニューヨーク校) | US$760 | 87,446円 |
カナダ(バンクーバー校) | US$547 | 62,938円 |
オーストラリア(シドニー校) | US$537 | 61,787円 |
ニュージーランド(オークランド校) | US$420 | 48,325円 |
イギリス(ロンドン校) | US$760 | 87,446円 |
アイルランド(ダブリン校) | US$569 | 65,469円 |
マルタ(マルタ校) | US$348 | 40,041円 |
同じ学校・同じ授業内容でも国が変わるだけで、Eurocenterでは最大約4万円ほどの差があります。専門分野などを学ぶ予定がない方は費用から国を選んでみても良いでしょう。
ちなみに、一番安いマルタ校に2週間の留学(学校+ホームステイ)をした場合、留学費用の総額はUS$1,023(117,706円)となりますが、近年人気があるフィリピン留学だと、同じ値段で2倍の授業を受講することや、通われる学校によっては同じ料金で3週間通うことが可能です。
▼授業時間について
フィリピン以外の国にある学校の授業時間:基本的に朝9時頃~昼13時頃まで
フィリピンにある語学学校の授業時間:朝8時頃~夜21時ごろまで
また、他の国では5~12人の少人数制グループレッスンが主流なのに対し、フィリピンではマンツーマンレッスンが主流なので、「英会話習得のための発話練習の機会」を考えると、フィリピン留学は非常に費用対効果の高いプログラムだと言えるでしょう。しかし、授業時間を見ていただいてわかる通り、一日のほとんどは学校で勉強することになります。つまり、フィリピン留学中は「英語のための合宿」という感じになるので、観光を兼ねて英語を学びたいという方にはおすすめできません。
さて、「留学する国の選び方」について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
「アメリカが好きだからアメリカに留学する!」そういった動機で留学先を決定するのもアリですが、現地での生活や自身の目標を考えたときに果たして「その留学先は自分に相応しいのか」をきちんと考えた上で決定しましょう。
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